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よくある質問〜和紙辞典、原料や作業工程

和紙について ~和紙辞典、原料や作業工程~

和紙 よくある質問 和紙とは何ですか?
和紙 質問への回答

日本的な特色を生かして作られた紙をいいます。
日本的な特色とは、
1)伝統的な手漉き技法が根底にある。
2)感性が日本文化に根ざしている。

これで出来た紙を和紙と呼んでも差し支えないのですが、敢えてもう一つ制約を付け加えるとすると

3)楮、三椏、雁皮などの靱皮繊維を原材料とし、「ねり」を混抄すること、です。
広義に解釈すれば日本のどこかで、手で作られた紙を和紙と言っても過言ではありません。


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和紙 よくある質問 和紙の特徴について教えてください。
和紙 質問への回答

和紙は、水にも非常に強く破れにくく、薄くて軽いのが特徴です。洋紙が何百年もたつと、ボロボロに朽ちてしまうのに対し、和紙はきれいに現存し、後世に歴史を伝える役目を果たしている事は、日本の歴史資料を見てもあきらかです。
また、水に強いことから、昔商店が火事になったとき、和紙に書かれた大福帖を井戸の中に投げ込み、火から守ったという話があるほどです。そして、軽くて温かいという特徴も見逃せません。同じページ数の洋書と和紙で作られた和紙を持ち比べて見てください。その重さの違いに、驚かれることでしょう。
このような、特徴を生かし、昔旅にでる人は、和紙で作った「紙衣」という「上っ張り」を着ました。芭焦が奥の細道を旅した時、夜の防ぎのためにこの「紙衣」を着ました。歩いて旅をする昔の旅人の持つ小物、お弁当箱ひとつを例にとっても和紙で作られた物が少なくありません。その他、きれいであるとか優しい肌触りであるとかいうことは、いうまでもありません。


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和紙 よくある質問 和紙はいつ頃から造られているのですか?
和紙 質問への回答

紙作りの技法は中国で開発されました。前漢時代の遺跡から麻布のボロで作られた紙状の物が発見されていますが、後漢時代(105年)頃に、蔡倫(さいりん)と言う人が構(穀)皮を使って紙を造ったのが始まりとされています。
日本では推古天皇18年(610年)に、今の朝鮮半島(高句麗)から渡来した曇徴(どんちょう)と言う僧が、日本に伝えたと日本書紀に見ることができます。しかし曇徴がはじめて紙をつくったとは書かれておらず、おそらくそれ以前からの渡来人が作っていたと考えられます。 和紙が大きく生産量を増やしたのは聖徳太子の仏教の布教と大化の改新による租税のための検知事業による書類のための紙でした。

阿波和紙は、古語拾遺(こごしゅうい)という本に、神代の時代に阿波の国では忌部族(いんべぞく)という朝廷に仕えていた人たちが、麻や楮を植えて紙や布の製造が盛んにしたという記録がありますが、西暦650年ごろから始まったのではないかと想像することができます。この地方を麻植(おえ)(現:吉野川市)と呼ぶのもその忌部族に関係があります。


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和紙 よくある質問

和紙の原料はどんな物ですか?

和紙 質問への回答

古くから和紙の原料は、楮、三椏、雁皮の靭皮繊維を中心に使われてきました。それぞれに優れた特質があり、いずれも繊維が長くて強靱で、光沢があり、和紙の特徴である薄くて強い性質を表しています。これ以外に、書道用紙には木材パルプ、藁などをもちいています。最近では、野菜、野草、土などを入れて美術、工芸的な紙を漉くこともあります。

● 楮(コウゾまたはカジ)クワ科カジノキ属の落葉低木。楮は大別すると次の三品種に分けることが出来ます。コウゾ(Broussonetia kazinoki Sieb.)カジノキ(Broussonetia papyrifera Vent.)  ツルコウゾ(Broussonetia kaempfer Sieb.)ですが、これらは容易に識別できないので低級紙をつくる場合は同種のものとして扱っています。楮は本州、四国、九州、琉球(沖縄)や台湾、朝鮮、中国の暖地に分布しています。徳島県では四国山脈の山地にはえており、のちには山地や畑で栽培して製紙や太布の製造に使っています。徳島県麻植郡(おえぐん)(現:吉野川市)山川町には、高越山という1222mの高さの山があります。この高越山は、地元では「おこうつぁん」と親しみを込めて呼ばれていますが、この高越山という呼び名は、「加宇曽(こうぞ)加宇都(こうず)」が転化したもので、楮の繁茂している山という意味があるといわれるほど、和紙の原料の豊富な山でした。

●三椏(みつまた)ジンチョウゲ科の落葉低木。中国原産、慶長3年(1598)に愛知県で初めて栽培され、それが中国、四国、九州地方に行きわたり、特に紙幣や地図などを作る紙の原料として造幣局の専売品として契約栽培となったので、美馬郡、三好郡の山地に栽培されています。4月の開花のころには山が黄一色になってみごとな眺めです。枝が三つに分れるので三叉とも書きました。

●雁皮(がんぴ)本州の東海道から西と四国、九州の日当たりのよい山のふもとや山すそにはえています。この木の皮で漉いた紙は他のものよりすぐれていて雁皮紙といって尊重されています。

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和紙 よくある質問

和紙の原料は、どこから入手していますか?

和紙 質問への回答

本来は、日本の国の山野、原野に野生していたものを取ってきたり、畑のあぜ道、山の傾斜地等に栽培をして収穫をしていました。しかし、和紙の消費量が少なくなるのと同時に、原料の生産高も少なくなりました。その大きな原因は、原料の販売価格が労働に見合うだけの価格で販売が出来ず、赤字生産になったためです。それと、フィリピン、タイなどから安い原材料の輸入が始まり、各地の和紙メーカーは好んでその原材料を使うようになったことも大きな要因です。
阿波和紙の場合は、楮については、徳島県から高知県県境に栽培されといる黒皮を使用しています。徳島では、二種類の楮が収穫されています。一種類は繊維の粗い、厚手の紙を漉くのに適し、もう一種類は繊維の細い、薄手の紙を漉くのに適した楮です。白皮は高知県で加工されたものを使います。しかしながら、機械抄きで使用されている楮はほとんどがタイ産の楮です。タイ産の原料を使い始めた理由は、日本国内産楮の生産量が急激に減少したことにより、楮の価格が急沸したため、価格の安いタイ産の楮を使い始めたのがそもそもの始まりです。現在では、価格の点も含めて、品質と量の安定供給がなされているために機械抄和紙メーカーには重宝がられています。
三椏は徳島県内で栽培され、加工されたものを使用しています。一部紙幣に使用されているため、一定量の三椏を大蔵省印刷局が購入しています。そのため山間部の農家では換金作物として栽培しています。
雁皮は、徳島で言う北地山(讃岐山脈)で多く収穫できます。栽培が出来ないため自生している雁皮を生剥ぎにして捕獲します。生剥ぎにするため収穫時期は、水揚げの良い春から夏にかけて収穫されます。

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和紙 よくある質問

和紙の材料は、どのような状態で入ってきますか?

和紙 質問への回答

楮、三椏の場合は、蒸して木質部から剥皮した黒皮の状態か、もう一度手を加えた白皮の状態で農家から購入します。品種の違いによりそれぞれ分類され、共に15kgを一束として結束されています。


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和紙 よくある質問

材料を使う前にどんな処理準備をするのですか?

和紙 質問への回答

原料処理といって、植物繊維を紙にするために、純粋な繊維だけを植物から取り出す作業をします 。
まず始めに、楮などの原料を一夜水の中に浸し、水に溶出する物質を取り出すことにより繊維が柔らかくなり、また、煮熟する際に使用するアルカリが浸透しやすくなるようにします。煮熟は伝統的な方法では、木を焼いたときに出来る灰から植物のアク(アルカリ液)汁を取出し、その液で楮などの原料を煮て繊維質と非繊維物を煮熟分離していましたが、今は苛性曹達、ソーダー灰などで煮熟処理をしています。

 

 


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和紙 よくある質問

どのような道具で和紙を漉くのですか?

和紙 質問への回答

伝統的な方法では、簀(す)と桁(けた)を使います。簀は竹ひごを絹糸で編んだ大変精巧なものです。桁は桧の正目を使ったもので、水に長時間入れて使用しても寸法に狂いのないものです。


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和紙 よくある質問

和紙の漉き方は、どのようにしますか?

和紙 質問への回答

紙の漉き方には大別して、流し漉き(ながしすき)と溜め漉き(ためずき)があります。大半の和紙は流し漉きの手法を取っています。
「溜め漉き」とは西洋式の手漉き紙の抄紙方法をこのように言います。古くは、日本でもこの方法で紙を作っていたはずです。語源は明治時代に東南アジアの各地で行なわれていた「流し漉き」と区別をするために、誰か学者が作った造語と言うことを聞いたことがあるような記憶があります。
流し漉きは4~5回以上漉き舟のなかの原料をくみ込み、繊維を簀の上を前後に揺らし、繊維の絡みを作ります。反対に、溜め漉きは、基本的に1回の組み込みで紙にします。大きな違いは、流し漉きは、薄い紙ができます。溜め漉きは厚い紙を作るときに適した技法です。

 

 


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和紙 よくある質問

一日に一人で何枚出来ますか?

和紙 質問への回答

和紙の大きさや、厚さにより違います。
アワガミファクトリーでは、2×3m以上の紙や小さいもので名刺サイズまで製作しています。大きい紙は一日に2枚ぐらいしか出来ないこともあります。通常は平均的な和紙の大きさの60×90cmの大きさで100枚から150枚です。一日の生産数量は、紙漉き職人さんの技量によるところが大きいです。


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和紙 よくある質問

和紙にはどんな種類がありますか?

和紙 質問への回答

用途により色々な種類があります。
寸法、厚さ、原料、染色、加工の違いを区別すると、千数百種類もあります。アワガミファクトリーではこれらの区別は基本的にはコード番号でわかるようにしていますが、古い呼び名で呼ばれることもあります。
例えば、地方名で呼ばれる場合、美濃紙、石州紙、阿波紙など、用途で呼ばれる場合、奉書紙、裏打ち紙など、原料名で呼ばれる場合、楮紙、三椏紙、雁皮紙など、大きさで呼ばれる場合、程四紙、仙四紙など、加工の方法で呼ばれる場合、具引き紙、ドーサ引き紙などがあります。


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和紙 よくある質問

和紙造りで難しいところ、苦労する事は何ですか?

和紙 質問への回答

製作行程のなかでは、紙を漉くところをかなり練習しないと出来ませんが、やる気があれぱ誰でも出来ます。新製品を考案して、売れる製品を次々に試作するのは、苦労と言うよりは、造る楽しみがあります。

 

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和紙 よくある質問

誰が手漉きの紙を漉く簀や他の道具を作っているのですか?

和紙 質問への回答

専門の職人が、高知県、静岡県、岐阜県、愛媛県などで道具を作っていますが、紙漉きの衰退とともに推移してきました。現在では、殆ど需要がないので専業の仕事としては成り立たないようです。ただ、ここ5年や10年でその道具を作る人がいなくなることはないと考えています。また、隣国の韓国、台湾、中国でも紙漉き技術がありますので、当然紙漉きの道具作りの技術も残っています。

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和紙 よくある質問

和紙は機械で造ることがありますか?

和紙 質問への回答

手作業で人が造った紙を、「手漉き和紙」、機械で造った和紙を「機械抄き和紙」と言い二つの作り方があります。
原料や材料は同じ物を使いますので、どちらが良いとか悪いとは言えません。第二次世界大戦後直ぐの頃までは、手漉きが主でしたが、時代の機構の移り変わりと共に、手で漉いていただけでは、需要と供給とのバランスがとれなくなり、機械抄きの方法が考案されました。和紙の機械抄きの場合は、楮の繊維を抄くことを目的として考案されました。楮の繊維は太くて長いため、原料の移送や抄紙、乾燥に独特の工夫が必要で、機械といえども大量生産は出来ません。
アワガミファクトリー(阿波和紙)では、手漉き部門を(財)阿波和紙伝統産業会館内に置き、実際に和紙作りを見学できるようにしています。また、機械漉き和紙は富士製紙企業組合が担当して製造し、卸販売専門にしています。


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和紙 よくある質問

機械抄の工程は、手漉きと違いますか?

和紙 質問への回答

基本的には、手漉きも機械抄も工程は同じです。原料作り、原料の分散、抄紙、脱水、乾燥、仕上げの工程です。ただ、楮の繊維を使った原料の作り方は、全く手漉き紙と同じです。大きな違いは、抄紙時に手漉き和紙の場合は、原料の汲み込みを数回繰り返し繊維の絡みを作りますが、機械抄きの場合はそれがありません。
その他の手漉き紙と機械抄き紙の大きな違いは、手漉き和紙の場合は柔らかく仕上がり、機械抄きの場合は硬く仕上がります。これは乾燥方法による違いだと思います。
また、縦横の引っ張り強度も抄紙方法の違いによるために大きな差が見えます。手漉き和紙は5~6層の繊維の絡みから紙を構成しています。このため強度に差が出で来るのですが、見た目には変わりません。機械で漉いても製紙用粘剤を使用しており、これが大きな違いです。
それともう一つ言えることは、大企業の洋紙メーカーとの機械のスピードと比べると1/10、物によれば1/100くらいの生産量しか上げられません。ただし、こんな原始的な機械なので微妙な機械の操作により、いろんな紙の漉き分けができるというのも特徴です。


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和紙 よくある質問

どのような機械を使用するのですか?

和紙 質問への回答

紙を漉く場合和紙の場合も洋紙を漉く機械とだいたい似たようなものです。懸垂式短網抄紙機と呼ばれていますが、原形はヤンキー式抄紙機で、これを楮の長繊維を抄紙出来るように改良したものです。


懸垂式短網抄紙機


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和紙 よくある質問

伝統的工芸分野での仕事上、なにか困難な事や間題がありますか?

和紙 質問への回答

和紙は今まで素材として供給されてきました。しかし、伝統工芸を取り巻く環境から推測すると、素材として提供する分野は、他の新しいものに取って代わられ、素材としての和紙の占める分野はどんどん無くなって来ています。
全国で300軒以上の紙漉き場があると言われていますが、今の素材としての和紙の需要を賄うのにこれほどの数が必要ないのかもしれないというのが現状です。和紙そのものを素材として捕らえるのではなく、もう少し付加価値の高い素材或いは作品に近い商品として作り込まなければならないと考えています。
伝統工芸も含めたあらゆる産業において、新しい考え方が要求されています。それは常に自己否定をすることから始まります。和紙とは何なのか。手漉きとは何なのか。などなど。これを繰り返すことにより伝統を作り上げ、継承して行くことだと考えています。

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和紙 よくある質問

和紙で織物は出来ますか?紙を切って糸を作り布にした紙布は耐水性があり染色が出来ますか?

和紙 質問への回答

紙糸にできる和紙ということになります。
使う人の好みもあるかと思いますが、一般的に楮紙で薄手のものが使われるようです。 また耐水性をもたせようとするならば、コンニャク糊を塗布すればよいかと思います。それも、2~3回、塗布と乾燥を繰り返せば、より強度も増すようです。紙自体の強度にもよりますが、コンニャク糊をひいてある紙は、多少であれば洗濯も可能だと思われます。
染料は、布を染色できる染料であれば、紙にも応用を効かせることができます。私どもでは直接(化学)染料、植物染料を用います。それぞれ、作る紙に応じて使い分けています。 化学染料にもいろいろ種類があるかと思いますので、ご自分の染色方法や環境で、染色がしやすいようなものを選ばれたらよいかと思います。種類により、色止めの必要性や方法も異なるかと思います。


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和紙 よくある質問

和紙の耐久性について

和紙 質問への回答

弊社で生産する和紙は、多くが中性を保持しておりますが、製造の都合上、いくつかの種類で酸性寄りの製品もございます。
それぞれの耐久性について科学的に検証はできておりませんが、中性を保持している紙については、通常の保存状態(高温多湿、直射日光が長時間に渡って当たらない等)を保持できれば、かなりの年数で大きな変化は見られないと言われています。
酸性寄りの紙とは、濃い色目に染料で染色した素材が該当します。


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